中絶にかかった費用にも健康保険が適用されるのでしょうか?

健康保険が効く境界線

予定外の妊娠や経済的な事情など…どうしようもない事情で中絶を選択しなければいけない時、気になるのが中絶費用です。中絶手術を受けなくてはいけないとなった時、それに対して健康保険は適用されるのでしょうか?

 

実は、一部を除いて基本的には、中絶手術は病気や出産に必要な診療には当てはまらないとして、健康保険外として扱われてしまうことがほとんど。つまりは、全額負担です。

 

生理が遅れている、もしくは体調にいつものと違う違和感を感じたり…なんらかの異変を感じて病院で診察を受ける事になりますが、2回目までの診察や検診までは健康保険が適用されます。その理由は、まだ中絶を決めていない状態だから。つまり、出産を前提とした診察だからです。

 

これが一転し、中絶すると決めて診察を受けると、健康保険が適用されなくなります。中絶手術にかかる手術代はもちろん、当日から診察代やその他にかかる費用は全額自己負担。健康保険が一切効かなくなるのです。


もしもの事も考えて、身分証は提示する

妊娠中絶手術費用を全額自腹で支払う場合は、病院によってさまざま。健康保険が適用される診察では、ある程度の診療点数というのが決まっていますので、どの病院でのそう大した差はないものとなるのですが、健康保険外となる自由診療では、病院が独自に設定することが可能となっているのです。ですから、同じ妊娠中絶手術費用でも、病院によって大きく違う事もあるので注意が必要です。中絶手術をおこなう場合は、まずは各病院でかかる費用を調べておくのがいいでしょう。

 

また、中絶手術をする際に、病院に対して個人情報を提示するのを嫌がる人がいます。特に、最初から中絶手術費用を支払わなくてもいいと知っている人ほどこの傾向が強く、最初から健康保険証を提示しないこともあるのです。

 

初診から中絶手術をするまで、そこにかかる費用を全て自己負担するから身元がわかる健康保険証は提示しない…これはあまり良い方法とはいえませんなぜなら、中絶手術だけでなく、医療現場において100%の安全なんてないからです。もしかしたら手術中に事態が急変するかもしれませんし、万が一の事があるかもしれません。そうしたもしもの時の事を考えると、自分がどこの誰であるかはしっかりと知らせておいたほうがいいのです。


健康保険が適用される場合

中絶手術に関しては、特定の理由…例えば、病気治療や体の状態から出産をするのが危険と医師から判断され、それによってやむなくおこなう場合では健康保険が適用されるものとなります。また、流産してしまった後の手術も保険が適用され、3割の自己負担だけですみます。

 

これは、稽留流産や不全流産の後、子宮の内容物が残っていることがあり、そのままにしておくと細菌感染の危険性があるからです。その危険性をなくす為に中絶手術をするのは医療行為になり、健康保険が適用されるものとなるのです。実際に、流産後に子宮が細菌感染を起こしてしまった為に、一生子どもを作ることができなくなってしまった人もいるのです。

 

ただし、流産したからといって必ずしも手術をしなければいけないわけではありません。完全流産…つまりは、子宮内容物が完全に娩出されているようであれば手術をする必要はなし。経過観察だけですむのです。

 

ただし、保険の給付を受ける際には、きちんと担当の医師による診断書の作成が必要で、それを提出しなければいけません。

 


同じようで異なる!流産手術と中絶手術

中絶手術には、健康保険が適用されない手術と健康保険が適用される手術とあります。これによって呼び名も変わるものとなります。健康保険が適用される手術は流産手術、適用されない手術を人工中絶手術といいます。ただ、人工中絶手術には、母体を守る為にあえておこなう場合もあります。どちらも、本来の流産手術とそう変わらないやり方となっています。

 

流産手術というのは、あくまでも流産後のアフターケア手術。妊娠していた胎児がなんらかの原因で死亡してしまい、流産してしまった場合におこないます。この流産には3つのパターンがあり、完全流産・稽留流産・不全流産となります。稽留流産と不全流産では子宮内に内容物が残っていることからも、それを取り除くことを目的にした手術となり、中絶手術とはまた違う意味のものとなります。人工中絶手術は、妊娠した胎児をなんらかの理由で中絶する…つまりは、順調に進んでいた妊娠をあえて断ち切ってしまうというものです。

 

流産手術と人工中絶手術は同じような意味に捉えられていることも多いですが、実は意味が全然違うもの。ただ、基本的な手術方法はほとんど一緒です。子宮内に専用器具でかきだす方法がとられています。

 

流産手術は、流産してしまった母体を細菌感染などから守る手術であり、それが治療の一つして健康保険の適用が認められています。ですが、人工中絶手術はそうした治療行為とはまた違うものなので、健康保険は一切適用されないものとなります。両者には明らかに目的が違います。とはいえ、受けるダメージはほぼ同じです。

 

 


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